阪神・淡路大震災、東日本大震災、そして予断を許さないいつくるか分からない地震。
横浜市では基本的に無料の耐震診断、さらには耐震改修工事においては、助成金が高額なため、物件量が多すぎて、役所からのGOサインが出るまでに1年半以上かかっていましたが、今後の申込みでは助成金が少し減額されたため、今後は案外と素早くなると思われます。
当社でも常に10物件以上が進行中ですが、今回は自費工事での物件をご紹介します。
このお宅は、お神楽(おかぐら・2階の増築)したようで、1階の梁・桁の上に、さらに大きな梁が回っています。
しかし、見た目には金物がほとんど見当たらず、少し危なっかしい感を受けました。
片筋交いは入っていますが、今の建物から考えると、少々貧弱に見えます。
基礎は独立基礎。現在はベースコンクリートがまず施工され、その上に連続布基礎が立ち上ります。ただ、独立基礎が悪い訳ではありません。こちらの基礎はしっかりしています。何百年も保っている神社・仏閣のほとんどはこの方式です(礎石)。
天井裏を補強したうえで、桜の竿縁の船底天井は回復し、筋交いも取り換えて強度を確保しています。
クロス壁はついでに貼り換え、京壁は塗り直しました。
戸袋部分を取り外して壁補強したため、モルタルを成形しなおし、肌合わせをしているので、それほど『やり直しました感』がしません。
一緒に塗装替えの時期だったため、全体的に塗り替えて、地震に対して強くなりながら、全体的なメンテナンスも行えました。
このような工事をさせていただいたお客様のところへ、地震後に伺うと、決まって『前よりも揺れが小さくなった』と喜んでいただいております。
しっかりと耐震計算して、開けた状況でその都度判断して、最適な施工をしているためと思われます。
横浜市では、昭和56年10月31日以前の木造軸組み構造の住宅は、無料で耐震診断(最近は門戸が広がっています)して下さり、ある一定の条件をクリアー出来れば助成金の活用が出来ます。